２０２１年３月２８日（日）受難節第６主日礼拝 棕櫚の主日

聖書：コリントの信徒への手紙一１３章４〜８、１３節（新p.３１７）

説教：「愛とは何？」

交読詩編：１１８編１９〜２９編

讃美歌：Ⅱ１６番、９０番、１４２番

【説教要旨】コリントの信徒への手紙一　１３章４〜８、１３ 節

『愛とは何？』

「それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。」（Ⅰコリ13：13）

今週から受難週に入ります。今朝は棕櫚の主日であります。

聖書全体に「愛」という言葉は500回以上、記されていますが、その中でもコリント信徒への手紙Ⅰに16回出てきます。そして13章の中にはその内、9回記されています。13章４節に「愛は忍耐強い、愛は情け深い…」とありますがその箇所の引用として箴言10章12節「憎しみはいさかいを引き起こす。愛はすべてを覆う」箴言17章９節「愛を求める人は罪を覆う…」ペトロの手紙Ⅰ４章８節「何よりもまず心を込めて愛し合いなさい。愛は多くの罪を覆うからです。」とあります。ここから愛は覆うもの、多くの罪を覆うものという意味も含まれていることを知ります。旧約時代、イスラエルの民はエジプトの奴隷でした。神様によって立てられたモーセを筆頭にエジプトから脱出し約束の地カナンを目指して荒野を進みます。荒野を旅する中で神様に捧げものをする為に幕屋を張りますが神様の言われた幕屋の材料をそろえ、言われた通りの寸法で建設されていきます。（出エジプト記３６章参照）その幕屋はまず亜麻のより糸、青、紫、緋色との毛糸でケルビム模様を施し織りあげられた長さ１２．６ｍ×１．８ｍの幕１０枚を使って張られ、その上に山羊の毛で作った幕で覆い、更に赤く染めた雄羊の皮で覆い、その上にジュゴンの皮で覆ったものでありました。４層にもなる幕屋の中には金で造られた祭壇、燭台、青銅の洗盤などの祭具があり、そこで祭司が神様に執り成し、贖罪、感謝の捧げものを捧げるのです。4層にも覆われた幕屋の奥で神様の前に立つことが出来、祈りと捧げものがなされるのです。私たちが祈りと感謝、礼拝を捧げられるのは、まさにイエス・キリストが全ての罪を覆ってくださっている事を現しているのではないでしょうか。この幕屋を通しても示されていることを思うのです。到底、神様の前に立てるような者ではありません。しかしイエス様が多くの罪を覆う‘愛’そのものとなってくださったからこそ私たちは神様の前に立つことできるのです。その愛は私たちをかけがえのないものとして神様ご自身の決意をもって現わされているのです。ローマ信徒への手紙5章8節「しかし、わたしたちがまだ罪人であったとき、キリストがわたしたちのために死んでくださったことにより、神はわたしたちに対する愛を示されました。」

コリント信徒への手紙Ⅰ１３：１３「それゆえ、信仰と希望と愛この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。」信仰も希望もイエス様の十字架によって現わされています。イエス様の十字架によって罪を赦され救われているからこそ信仰を持つことが出来、信仰を持つことによって罪に打ち勝ち、死に打ち勝ち、永遠の命に預かる事が出来る希望を頂くことが出来るのです。その最も大いなるものは愛である。この愛こそがイエス・キリストであり、その愛の表れが全ての罪を贖い覆う十字架なのです。この受難週の時、イエス様の十字架を仰ぎつつ歩ませて頂きましょう。（高橋容子）